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11.モニュメント(記念碑)はアートである

人間がモニュメント(記念碑)を造るとすれば、こうした自然そのものの美、その、造形物としての質の高さに、どこまで迫れるかと言うことになる。いづれにしても、その造形の質が高くなければ人間同志の間で、モニュメント(記念碑)としての共感を得ることは出来ない筈である。確かに人間は質″として低いもの、汚いものをモニュメント(記念碑)にはしない。モニュメント(記念碑)とは、自分の心の中にしまい込むもの、なのであるから当然である。
人間の造るモニュメント(記念碑)とは、アートである。モニュメント(記念碑)の質、それも姿℃ゥ体を目的物としたものの質≠ノ、高いレベルを求めるとすれば、それは芸術性によるしかない。このことは一般的なモニュメント(記念碑)は勿論のこと、昔の建造物や遺蹟、など今日歴史的モニュメント(記念碑)と言われているものが、意味性もさることながら、それぞれ、その高い芸術性のゆえであることを思えば納得が行く。芸術性はモニュメント(記念碑)と成り得るし、立派なモニュメント(記念碑)性は芸術的な造形物を媒体として生まれるのである。
エッフェル塔の無いパリなど、想像出来るだろうか、今はパリ市自体がすでにモニュメント(記念碑)であるが、さらにそのシンボルとも言えるエッフェル塔、18世紀末のパリ万博のシンボルとして建てられ、まさに、近代工業文明の創成期であり、当時の先端技術の粋を集め、しかも19世紀の装飾美術の高いセンスによって造形されたエッフェル塔、それに引き換えわが東京タワーは、明日にでも取壊しの話が出ても、まず反対運動など起らないだろう。モニュメント(記念碑)は、まさに「姿」の質でありアートなのである。大阪のシンボル、大阪城、コンクリート造りの復元物であっても、立派な「姿」のモニュメント(記念碑)である。これを造っておいたので今日の大阪は、ずいぶん助かっている筈である。

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