2.『モニュメント(記念碑)』とは先ず『CI』から考えよう

近年、コーポレートアイデンティティー(Corporate Identity)略して「CI」という言葉が使われるようになった。
又、よく話題にもなる。アイデンティティ・・・この英語は、本来、心理学の専門用語で「自己同一性」「主体性」といった意味で、自我意識を通して人格が形成されて行く過程の研究の学説に関わる言葉であるが、この理論にヒントを得て企業に於ける個性の確立、主体的な、統一イメージの形成のための戦略として、コーポレート・アイデンティティーの考え方が生まれて来たわけである。顧客や社会に如何にその企業を認識させるかということは、その前に、その企業自体が、どの様な歴史を持ち、今、どの様に考え、これから、どの様にしようとしているのかという、企業自体の自己認識がしっかりと確立されていることが、先づ大前提であることは言うまでもない。それによって、従業員も自分達の会社は一体何なのか、ということを、はっきりと認識することが出来るし、どういう働き方をすれば良いか、と言うことも明瞭に判って来るもので、その結果として会社のイメージが社会的に、より明確に印象づけられ、その製品や、サービスに対する信用にも大きな影響を及ぼすに至るのである。
この様に「CI」は単に考え方のうえの問題ではなくて、まさに言葉どおり、企業や、組織、団体の人格そのものをかたちづくり、企業の内に対しても、外に対しても、機能的なパワーとして働くものである。個人の場合でも、個性的でしっかりとした考え方を持ち、適確な自己表現の出来る人が、社会に受け入れられることを思えば、これは当然のことと言えるのである。

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